現実が辛いから薄皮で包み隠すんだ
故・中島らもさんが、小説内でアル中の人物に語らせた言葉
直視するには厳しい現実も酒を飲めば眺める事が出来る
たとえ耐え難い現実が待ち受けていると判っていても
真実を見たいと思う気持ちがページをめくらせる原動力となる漫画がある
- 作者: 清水玲子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2007/02/28
- メディア: コミック
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一時期、出産の為に漫画活動を休止していたので、2巻からだいぶん間が空いてしまいましたが
これが前2作以上の盛り上がりを見せる漫画となっていました。
狂気は伝播する
この言葉がしっくりとくる、変態の変態による変態のための漫画です。
猟奇殺人の描き方が実に上手くて、犯罪の奥深くにグイグイと引き込まれる!
これまでの事件では、残虐行為がやりたい犯人を追い詰めていく科学警察研究所法医第九研究室(通称ー第九ー)でしたが
今回は、色々な事件が重なった複雑な設定になっていますが
何も考えずに、最後まで読み終えると、一気に事件の全容が解明でき、面白さ急上昇。
読み終えたにも関わらず、その熱い思いを胸に、もう一度最初から読み直してみたくなる作りになってます。
これはシックス・センス [DVD]っぽいかも。
最悪の悲劇でありながらも、それが最高のエンタテイメントになっているのが凄い。
全ての関係軸が頭に入った状態で、読み直す今回の事件には残虐を超えた所にある愛が見れました。
愛おしいまでの狂気にアナタは耐える事が出来るのか!?
容赦なく突き付けられる現実には、目を背けたくなる事ばかりです。
そういった内容だからでしょうか。
『秘密』の単行本には、扉絵のカラーページの前に、一枚の薄紙(トレーシングペーパー)があります。
真実を垣間見て受けれる許容がある人だけが、読む事を許されている漫画なのかも。
うかつに読みふけっていまうと狂気の世界の取り込まれてしまいそうになる。
その狂気の世界から、現実の世界へ引き戻してくる
最終ページの4個の箇条書きだけが、この漫画の唯一の良心だ。
この本は、今年最高の一冊になる漫画だろう。
狂人たちの宴が好きな方に見て貰いたい作品
- 作者: ジャックケッチャム,Jack Ketchum,金子浩
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 1998/07/01
- メディア: 文庫
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- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2004/06/25
- メディア: DVD
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- 作者: ブリジットオベール,Brigitte Aubert,藤本優子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/05/01
- メディア: 文庫
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