君たちはどうオールバックか
君たちはどう生きるかを見てきたので、がっつりネタばれして
B級映画的目線で楽しめる方法で、ニヤニヤ笑いながら鑑賞しましょう
楽しみ方は後から語るとして、まずはOPで驚いたシーンを
いきなり空襲で、街が燃えさかっていますが
そこで宮崎駿監督が、意外なモノの活用方法を教えてくれました。
時代劇とかでお馴染みの、町火消しの纏(マトイ)です。
屋根の上で、グルグル振り回すだけの代物だと思っていましたが
火災で舞い上がった火の粉が、周りに延焼するの防ぐ為に
ホコリを払う様に、火の粉を纏のヒラヒラでファサっとして壁や柱が燃えるのを防いでました
纏ってこういう使い方をする道具だったんだ。
ありがとう宮崎駿監督!
なんだかんだあって、東京を離れて田舎に引っ越す訳ですが
田舎の駅に降りた瞬間、親子の後ろに並んでいる人のケツアゴが映ります。
これは、ムッシュゼニガメじゃないですか。(伏線)
どうでも良いシーンにパロネタぶっこんで来るとは!
この辺りから、君どうが、どう生きるかより、どう楽しむか。の視点に切り替えて
ワクワクしながら前のめりでの鑑賞スタイルが始まりましたよ。
田舎の自宅に着いてからは、いきなり薄暗い部屋に蠢く人影!
これはゾンビたちが、かゆうましているシーンじゃないですか
ゾンビ映画も撮りたかったのかな?
正体は、ゾンビより怖いババアがいっぱい缶詰や砂糖に群がってたw
実家でのつっこみシーンを、もう一つ上げるとするならパパが帰宅した時かな
お帰りのチューをする訳ですが、これがかなりの濃厚さ。
男優さんが一人でレロレロしてたのかな。収録シーンが見たいぞ
やはり宮崎監督も現場で演技指導してたのか!?
パパは、新しいお母さんと仕事に夢中だし
主人公は、田舎の学校には馴染めなくて、孤独が極まって頭がおかしくなり始めます。
それにしても、この映画に出てくる奴はクズばかりだなw
そういうクズが集まって問題を起こしまくるホラー映画は、大好物ですよ~
崩れゆく日常から、徐々にホラー要素が膨らみ始めて
もう皆さんご存知でしょうが、夢の塔の世界へと主人公は旅立っていきます。
一人で探検するのかと思っていたら、ババアが一人だけ付いてきます。
このババア要らんやろ。と思った次の瞬間に大爆笑
弓を構えた主人公と、腰の辺り引っ張って連れ戻そうするババア
その横から見た姿がまるでケンタウロス!
この一発ネタがやりたいから、家の中で弓を作ったり、腰の曲がったババアを登場させたのか
でも、このシーンで笑っているのは他に居なかったぞw
その後、夢の塔に飲み込まれて謎のペリカン島と古代遺跡に
ここでやりたかった事は、ホグワーツなのかな?
ハリポタ一切見てなくて、ゲームのホグワーツレガシーでのゲーム配信の知識しかないですが
短いスティック持って、魔法発動させる姿は格好良かったな。
私がゲド戦記を作っていたら、もっと凄い映像見れますよ!という心意気なんでしょうか。
あっ!ゲド戦記も見た事ないや…多分、こんな感じの魔法世界なんですよね。
次のシーンは、魚釣りですが、やっぱりくじら食えくじら。なのかな
魚の下ろし方とか知っておかないと後で後悔するぞ的な教訓
腐る前に処理すれば資源ゴミだが、腐ってしまうと生ゴミで処理費用が莫大なんだよ。
そして下ろした魚を使って、ジブリ名物謎シチューが登場!
でも、この場面での注目は食卓の上に被せられた籠。
そういえば、昔はラップがなかったので、オカズなどを食卓に置いておく時は蠅帳を使ってた。
このアニメは懐かしさを思い出すのに最高の教材じゃないか。
世間的には、この後のワラワラが人気みたいですが、食卓の籠の感動の後だから普通だった。
ワラワラを食らうペリカンと、それを撃ち落す燃える乙女ヒミちゃんで、このアニメ初のバトルシーン
盛り上がる事もなく撃退したと思ったら、夜に死にかけペリカンが来て埋葬してやる事に
子供一人で、そんなにデカい穴は掘れんだろ。ちょっと笑いました。
全身埋めるよりも、土を上に被せるくらいのお墓の方が楽なんだろうなあ
サクサク物語を進めていくと、主人公は鍛冶屋の家に侵入するんだけど、ここはさっぱり分からん…
ただ、インコ造形が凄い!そこまで詳しくインコを見てなかったのですが
インコをでっぷり可愛く描くと、ラピュタのロボット兵になるとは!
インコの鼻の穴が、ロボット兵のカメラっぽくて実にメカニクル
こう攻めてきたか。さすがはメカ愛の強い宮崎監督だぜ。
どことなく似てるでしょw
後で捕まった主人公を助けに来るアオサギが、ロボット兵のカメラを意識して着けた仮面が
博多名物にわかせんぺい!
突然の仮面に映画館で吹きましたが、一般人にはにかわせんぺい通じないか…
是非とも、映画館のお土産物コーナーでにかわせんぺいを販売して貰いたい!
きっとジブリも裏で動いているに違いない
話を戻して、鍛冶屋でピンチになった所を助けてくれたのが、燃える乙女ヒミちゃん
見事なまでのオールバック。
宮崎映画といえば、空を飛んでオールバックになっているイメージだったので過去作を調べてみると
ナウシカ、シータ、キキと、あんまりオールバックにはなってない。
がっつりオールバックは、千と千尋のこのポスターくらいかな。
だが今回の宮崎さんは違います。前髪なんて飾りです、鈴木さんにはそれが分からんのですよ。
風なんて無くても常にオールバック。宮崎ヒロインの完成形を見ました。
そこで脳裏に思い浮かんだのが、今話題の強風オールバック。
なので、映画鑑賞前にこの動画を見ておくと
ENDに脳内で鳴り響く音楽は、強風オールバックになり
映画に出てきたキャラがスキップしながら、右から左へと駆け抜けていく姿が妄想できます。
このシーンを妄想するだけで、君たちはどう生きるかが120%面白さ増。
もう一度話を戻して、ヒミちゃんに助けられて自宅に招かれるシーンに
そこで食事を振る舞ってくれるんですが、これがジブリ飯の中で一番美味そう!
パンの上に白いのどっさり(バターじゃなくてサワークリームかな)
そして、謎の赤いソースを垂れるほどたっぷり塗り重ねます(瓶のラベルに「TOMO」まで読める)
トマト系なのかな。それともイチゴジャムなのかな。
それをほお張る主人公がめちゃくちゃ幸せそう。ほっぺに付いたソースを拭いてあげるヒミちゃんきゃわわ
このシーンを満喫する為にも、映画の前に何かを食べておいた方が良いかも
腹ペコで、この後半シーンを見ちゃうと映画抜け出して食事したくなる破壊力…
観客の腹を減らせつつ、物語は佳境の夢の塔侵入に。
色々はしょって、無事にお母さんが寝ているベットに辿り着きます。
そこで魔力が暴走し、強風吹きすさぶ中、お母さんが半狂乱。
色っぽく狂い咲くお母さんを見て、ある監督を思い出しました。
皆さんご存知、狂気のアニメを作らせたら世界一の今敏監督です。
ひょっとして宮崎監督は、今敏みたいな狂気のアニメを作ろうとして、君たちはどう生きるかに辿り着いたのかも
前半からちょくちょく挟まってく日常の崩壊とホラー演出。
そして何よりENDに米津元帥さんが起用された理由
https://twitter.com/hachi_08/status/1679685709232484352
その中の一文
お話を頂いたのはもう4年ほど前のことです。一番最初は驚愕すると同時に「何故自分なのか」と困惑しました。曰く、宮﨑さんがFoorinのパプリカをラジオで耳にしたのをきっかけにわたしに白羽の矢が立ったようです。
オタク世界の基礎知識として、パプリカと言えば今敏と言われるほどの代表作。
頭の中で、点と点が繋がってますます前のめりで見ていると
やっぱり来ましたと、狂気のパレードが!
インコ大王が、捕らえたヒミちゃんをパレードしながら塔の主人に会いに行くシーン
YOUTUBEに動画があるので、これを脳内の片隅に入れておくと
パレードのシーンがぞくぞくしてたまらなくなりますよ。
いったん脳内がそういうモードに入ってしまったので
塔の主人の姿を見た時は、東京ゴッドファーザーズで宝くじを渡してくれるホームレスのお爺さんに見えました。
てんやわんやで、夢の塔を解決し元の世界に戻っていく時に前半にちらっと話していた事の伏線回収が来ましたよ。
主人公のパパが、トレンチコートにソフト帽を被り気分はムッシュゼニガメで救出班を従えて走ってくるではありませんか。
映画の序盤とラストで、ルパンをぶっこんで来るとは。
やっぱり思い入れの強い作品だったのかなあ
宮崎駿総決算みたいな映画でとても楽しめました
1回しか見てないけど、これほど脳内に刻み込まれて楽しめた映画は久しぶり
これは勝手な予想ですが、スタッフロールに宣伝部や予告編製作として数名の名前がありました。
ひょっとして、夏ぐらいに一度公開を打ち切って、パンフやグッズを取り揃えて
シン君たちはどう生きるかを9月の連休から上映再開するのでは?
スタッフロールは、歌だけで何の映像もなく、しかも声優の役名表記すらなかった…
大竹しのぶさんは何役だったんだろう?
という事で、パンフが発売されたらもう一度見に行こうかな。
もちろんENDでは、こっそりと君たちはどうオールバックか(オーケストラアレンジ)が脳内に響きます。