自由道は燃えているか!?「第20話」

掘りを求めてホリ・タイゾウ

「アゲモノが好きです。」


第20話
カレーパンを捕えろ!
晦日、正月、えべっさん(恵比須まつり)などと年始年末に
各地で色々なイベント・お祭が行われました。
そこでの楽しみは、お参りやオミクジなどではなく
もちろん、そこに立ち並ぶ「屋台」以外に考えられないでしょう。
お好み焼き・たこ焼き・ヤキソバ・トウモロコシ・ベビーカステラなど
食の殿堂がズラーーーと並んで、お参りなんて忘れてしまいそうです。
やっぱり、出来たてのモノを「ハフハフ」言いながら、食べる嬉しさは
どんな楽しいゲームを遊ぶよりも、楽しく嬉しい瞬間だろう。
そんな屋台に、ひとつ加えてもらいたい種類があります。
言わずもがなの「パン屋」さんです。*1
とはいっても、普通のパンは要りません。
カレーパン・ヤキソバパン・メロンパン・アンパンに、クリームパン。
こんな菓子パンの「出来たて」を、ホカホカの内に食べたいと思いませんか。
中々、パン屋で焼き上がりの時間に、買い物に行く事は少ないですし
アツアツのパンを食べた記憶が、トンと有りません。
「パン屋」が難しければ、せめて「アゲモノ屋」を!
コロッケ・ミンチカツ・カラアゲ・トンカツ・ヒレカツなどを
揚げるのと一緒に、カレーパンも揚げて欲しい。
揚げたてで、アツアツのカレーパン。
想像しただけで、美味しそうじゃないですか。
是非御一考を。

運良く、巡り合わせで嬉しい「アゲモノ」に出会える事があるが現実です。
運良く、連鎖が起きて嬉しい「オチモノ」で遊んだのがゲームの世界です。

今回はオチモノについて考えてみます。


最初に思いつくオチモノの王様は、テトリス
一時は、あのロシア音楽を聴いただけでブロックの形を思い出すほど
テトリスをやった事がない人は、日本には居ないんじゃないのか?
と思うぐらいの空前の大ヒットを、飛ばしました。
この21世紀でも、携帯電話にテトリスが移植されるぐらいの人気です。
ゲーム的には、小さなミスがコツコツと積みあがってゲームオーバーになる。
この流れは、今日までのオチモノゲーム全般に通じますが
初代テトリスには、一発逆転のシステムが無く、最初に起こした小さなミスが
ゲームオーバーへの第一歩となる。
「戦場では一人のミスが作戦の失敗、ひいてはチーム全員の死につながる」
そんな、軍隊チックなガチンコの男の生き様を現したゲームでした。


その次に現れたオチモノの女王は、ぷよぷよ MD 【メガドライブ】
「やったなー!」「ファイヤー」などが流行語大賞に。
(いらっしゃりーの・ありがたーな、を知ってるアナタはマニアです)
今まで、一人プレーで終わりの無かったオチモノ
「対戦」の二文字を付け加えて、短期集中決戦を可能にした。
無限の自己鍛錬と思われたオチモノに、勝利と言う名の美酒で乾杯する事が
出来るようになり、オチモノに新しい方向性が見えました。
そして、このオチモノから一発逆転が出来るようになり
小さなミスも、最後に挽回できるシステムが完成しました。
それが「連鎖」です。
狙わなくても偶然起きる嬉しい誤算的な「連鎖」が、初心者を惹きつけた。
逆転満塁ホームランが打てる、ユメを見れるゲームでした。


最後の真打として登場するのは、ミスタードリラー(Mr. DRILLER)
このゲームは、オチモノを全てひっくり返したアイデアのゲームでした。
モノを落とすのではなく自分が落ちて、ゲーム中起きる連鎖は
落盤状態で自分に無理な状況を招きます。
ゲームの内容は、下へ掘り進めばクリアー出来るのですが
色々な制限が邪魔をして、いつも悔しい思いをしてしまう所が素晴らしい。
この、あと一歩感が、ワンアウト満塁で内野ゴロを打ってしまい
ゲッツー・ゲームセット、の残念無念感がMrドリラーの最大の魅力!
さぁ、みなさん。
Mrドリラーを見つけて、遊んでみよう!


END


「でも、オチモノの方が、も〜〜〜っと、好きです。」


以上『日刊ゲームスクウェア』 2002/01/28号より
前回までの『自由道は燃えているか!?』はコチラで読めます。


年始以降、テレカの掲載が忙しくて自由道の事を怠けていたら、こんな時期に!
実際の連載は3月に終了しているんで、若干季節ネタが外れてしまった。
もっとタイムリーな時に掲載しないと、ネタ物は傷みが早いからなぁ
この連休期間を使って、なるべく早く消化したいと思います。

*1:最近は車にオーブンを備えて、その場で焼きたてのメロンパンを売る屋台が出現!