裏テーマとして明石家定食があります

デカいパンフは読み応えばっちり

映画の日なので『桜田門外ノ変』を鑑賞しに三宮シネフェニックスへ。
久しぶりにシネフェニックに入ったら、色々とマイナーチェンジされていました。
まず一つ目はポイントカードを発行。5回鑑賞したら1回タダになる模様。
続いて2つ目は毎月24日はシネフェニックスの日となり1000円で鑑賞できます。
何度も足を運びたくなる劇場になってきたな〜
シネフェニックスのHPを見たら、ブログも開設してあったので見に行って笑いました
Mr.T's Magazine
コングがにっこり微笑んでいて和むなあ
館長さんはAチーム好きなのかな。たっぷり映画について語り合えそうな気がする年代だ
さて、本題の桜田門の感想です。
まず一番最初にこの映画について驚いたのは、上映前の説明で映画の時間が2時間半だと知った事…
上映時間が2時間越えと知っていたなら、きっと見に行くのをためらっただろうな。
でもそんな長時間上映とは思えないほどメリハリの効いた見応えある内容だったので、時が過ぎるのを感じさせませんでした。
時計を確認したのは、最初の30分くらいであとは映画の世界観にたっぷり浸れる良い映画だったなあ
何で、30分くらいに時計を確認したかという謎は、2番目に驚いた内容があったからです。
桜田門外ノ変と聞けば、誰しもが桜田門で斬りかかるシーンがクライマックスだと思いますよね。
そんな予想を裏切るかの様に、冒頭10分の間に江戸末期の政情がテキパキ説明され
そうこうしている内に、あっという間に斬りかかるメンバーが揃い踏み。
上映30分後には「上意でござる」という雄叫びと共に、桜田門襲撃が始まっちゃいましたよ!
この意外性に、もう映画の中に釘付け!
今回の襲撃シーンは、いわゆるチャンバラとは違い「殺陣の筋書き」がない感じがする合戦の匂いがしました。
刀で切り倒すのではく、金属バットで殴り合う珍走団の乱闘みたいで迫力ありましたよ。
実際の戦いにおいても綺麗に相手を両断して一刀で命を奪うなんて出来ませんからね。
襲撃側の水戸藩は殺す気マンマンで斬りかかってくるけど、防衛側の足軽組は死なない様に戦いますからね。
最初の頃は、足軽組は刀を抜くヒマがなく鞘に納まったまま刀を振り回す描写は良かった。
周りの足軽たちが右往左往している間、一人だけ奮闘している駕籠の傍にいた侍が格好良かったな。
いつの間に登場したのかは判らないですが、注目した時には襷掛けで袂を締め、袴も脹脛が見えるくらい上げて臨戦態勢
大股開きで、常に左右どちらにも動ける体制を整えて、駕籠に襲撃してくる水戸藩士を払い除ける勇姿は見事です!
これから映画を見に行く人があれば、彼の勇姿を目に焼き付けるべく籠周辺の侍に注目していて下さい。
彼だけは合戦の心得があるのか、相手を殺す事を目的とせず、如何にして身動きが取れなくなるかを考えて
深く切り裂くのは止めて、軽く斬って押し倒す事を主眼として相手を籠から離す事だけを考えて行動していたなあ
最後は追い詰められて、一人でも多くの命を道連れにしようと奮戦する姿は、まさに侍の鑑でしたよ。
幕末の侍として一番の褒章を与えるのなら、彼において他にないでしょう。
まぁ主君を守れなかったから褒美は出ずに叱責される側に回ってしまっただろうけど…


パンフを読んでみると、駕籠の傍で守っていた侍は川西忠左衛門という名前が判明。
二刀流の遣い手でかなり実戦なれしていた侍だったんだろうなあ
川西さんを見るだけでも価値のある映画ですよ。
映画が終わった後、スタッフロールで福本清三さんの名前を発見し
ひょっとして川西侍は福本さんだったの?
と一気にテンションが上がりましたが、ネットで調べてみると福本さんは船頭さん役でセリフ付きだったみたい。
福本さんの見事な斬られっぷりを見たかったなあ
結局、川西侍は誰だか判りませんでしたが、その内に名を上げる役者さんになって貰いたいです。
役者で驚いたと言う点では、我らがB級魂を刺激するウパーさんことH.Hが後半に村長役として登場してました。
相変わらず悩んでいるような深い表情で登場してきたので、ちょっと嬉しくなりました。
どうしてH.Hさんが出演したのかなあと思いパンフを最後まで目を通してビックリしました!
何とこの映画の監督は、北京原人を撮った人じゃないですか〜
北京原人もウパーしか話題になりませんでしたが、改めて思い起こしてみると映画的ダレ場はなかったなあ
最後まで何が飛び出してくるのか判らないワクワク感があった映画だと思います。
そういう意味では、桜田門外ノ変もどういう結末を迎えるのか判らないまま2時間半の長丁場を
飽きる事無く見せ続けると言う演出力に飛んだ映画です。
北京原人がぼろくそに言われたのは、企画がそもそもダメだったからだろうな…
それをあそこまで見れる作品にした監督の力量が、この桜田門に繋がっているのかも知れません。
監督は、写真で見るとおじいちゃんですが、まだまだ撮り続けてもらいたいなあ
作品略歴の中に、ゴルゴ13があるじゃないですか!
バカ映画としてワンシーンだけテレビで流れる事がたまにありますが、全編通して鑑賞すれば
ひょっとしたらそれなりに面白い演出が見られる映画なのかも。
今度店頭に並んでいたら手に取ってみようかな。
飽きの来させない演出として、画面を賑わわせているのはコメディ要因のバババ伴内こと松尾伴内
リアルちょん髷が薄ら寒いぬっくんこと、温水洋一さんです。
この二人は演技をするというより、普段のまんま登場しているので見ていてクスクス笑いたくなるw
伴内さんなんか、明石家定食でお馴染みの驚き芸の大声を張り上げ「えっ〜!!」と目を剥いて喋っていて安心しましたよ。
ぬっくんの挙動不審っぷりも板に付いていて、どこからどう見ても小間使いに見える雰囲気は最高だったなあ
この二人がすんなり映画の中に溶け込んでいられる空気感を作り出す監督は素晴らしいぜ。
今年見た映画の中では一番楽しかった。
ダイナミックな桜田門襲撃シーンは是非とも大スクリーンで見て欲しい映画です。
サムライシネマプレゼントキャンペーンが無かったら、絶対見逃していた映画だったので
この企画を立案してくれた人に感謝の意を表したい。