停電の夜の楽しみ方

次女かわいいよ次女

公開が終了しそうだったので『あの夏の子供たち』を慌てて鑑賞してきました。
久しぶりにシネリーブル神戸に行ったけど、チラシを見て回るだけでも楽しい!
メンバーカードによると、ついに来場回数が51回に。
良く行く方は、すでに3桁に突入しているんだろうか?
映画の感想としては

オチはどこにあるんだ…

というくらい、日常を丁寧に撮り上げた作品でした。
予告編とかHPの情報で、主人公の映画プロデューサーが自殺して、残りの家族が映画の為に頑張る。
てな事くらい知っていたんですが、この映画は結局何も解決しないまま終わってしまった。
資金繰りに悪化して、にっちもさっちも行かなくなる中小企業の社長の様な映画プロデューサーの話は面白かったです。
アメリで一発当てて独立した叶井俊太郎を髣髴とさせて、序盤はグイグイ引きこまれた。
この春にトルネードフィルムが倒産したのも知っていたので、ちょうどこの映画と重なって見えましたよ。
たとえ1本の映画がヒットしていても配給元との契約によっては、あまり収益が上がらないって事もあるんですね…
大手は安泰だけれども、中小の映画会社は映画を配給するのも一苦労なんだろうな。
それから映画を見て思った事は、フランスでは拳銃を所持していてもあまり問題にはならないのかな?
簡単に銃自殺していて驚きましたよ。
この映画の一番の見所は、映画本編とは一切関係のなさそうな夕食シーンです。
家族が揃って夕食の準備をしていたら突然の停電。
懐中電灯を探し回ろうと慌てていると、母親が「ロウソクの方が良いわ」と提案して
食卓にロウソクを並べて、家族団らんで夕食が始まろうとしていました。
ここまでは、普通の停電シーンとして誰しもが予想できる展開ですが次が凄かった。
食事をしようとすると「折角だから、外で星でも見ないか?」と
叔父さんが提案し、子供たちが大喜びで家の外に飛び出していきました。
街灯も消えて、真っ暗な街の中に満天の星空が広がっている風景は良かったなあ
数年に1度くらいしか起きない停電ですが、いつもは懐中電灯を探し回り慌てるだけしか出来ませんでした。
ですが停電という非常事態を、見方を変えると星空鑑賞に適した夜に早代わり!
この事実を知ってしまうと、早く停電が起きないかとワクワクしながら夜を過ごしてしまいそうw
停電しちゃうと、パソコンもテレビも見る事が出来ないですが
その代わりに普段は見る事が出来ない星空を楽しむ事が出来るんですよ。
今年の夏に停電が起こった際は、送電が開始されるまで家の中でじっと過ごすのではなく
家の外に出て、夜空を見上げて自然の天体ショーを楽しみましょう〜
この1点を教えてくれただけでも、あの夏の子供たちは、子供たちを楽しませる術を知り尽くした映画ですよ。
タメになる映画だなあ〜