林檎の一平、未完の大作

否定の兄・肯定の弟

今さらながら小路啓之さんの『かげふみさん』3巻の感想を。定価620円(税込)
中途半端に終わった感じが拭えないかげふみさんですが
ひょっとしたら、今バーズで連載している「来世であいましょう」に繋がるのでは?
と期待していたんですが、繋がりそうに無いなあ…

かげふみさん 3 (バーズコミックス)

かげふみさん 3 (バーズコミックス)

まずは、かげふみさんの連載を幻蔵で毎月読んでいた時と比べるとスムーズに進んでいるのが嬉しいな。
実際、2回ほど原稿が間に合わなくてページ減でお届けした回がありました。
13話と17話は、2ヶ月分の原稿を1話にくっ付けたモノです。
順調に連載を続けていたのなら、もう2ヶ月早く終了して、単行本も12月に発売予定だったとか。
それがちょっと伸びて2月発売になっちゃったからな〜
幻蔵からWEBスピカへの統合計画も、本来なら幻蔵休刊の時にかげふみさんも最終回となって
綺麗に終わらせる予定だったんだろうな〜
その影響なのか、ちょっと結末がグデングデンになってます…
がじゅまるさんの名言

ああ――不死身になりてぇ…

も単行本では最終話に収録されていて、その後の清三さんの尋問を受けて忘れちゃってますが
実は2ヶ月に分断されて載っていたから、読者としても何て台詞だったっけ?
と疑問に思っていましたが、単行本で読み直してみたら違和感を感じるな。
最終回を考えた時は、別の終わり方を予定していたけれども
締め切りが迫ってきて前後編に分けるにあたって、1ヶ月間じっくりと考え直したら
また別の結末を思い付いたって感じなのかも。
最終話の前編は、キリコが公衆電話から消費税サービスデーを直訴しているページです。
後半にはキリコの出番が一切なくなっちゃったからな…
きっとぴえぴえパパとキリコの件も、消化させようと思っていたけれども
メグとがじゅまるさんの絡みに、予想以上にページを使っちゃったから、描くスペースがなくなったんだろうな。
虎の会とぴえぴえパパの関係とか、キリコのその後とか知りたかったな〜
清三さんは虎の会に嘘をついたけど、何らかの罰則は受けなかったのかな?
まぁ清三さんを殺せる腕前の殺し屋は、虎の会には居ないけどな。
もっともっと虎の会のメンバーとかを読みたかったです。
どんな偏屈者が、奇抜なアイデアで暗殺を試みるのかが楽しみな漫画だったのに。
こうやって一応の完結を見せたかげふみさんですが、色々な部分で未完の所があります。

8トラのセゾテープの中身は何だったのか?
最終話で突然出てきた、ホクロなしの偽ぴえぴえパパは何者かな?
1巻で死んだはずのぴえぴえパパが、どうやって2巻以降の殺人現場に立寄ったのか?
(↑これは、依頼者が偽ぴえぴえパパなら解消できる疑問)
さるとびおっさんとバクハツの吾朗は元気なのか。

他にも疑問点があった気がするけれども、時間が経ちすぎて何を悩んでいたのか忘れてしまいました…
次回作の「来世であいましょう」はイハーブの生活を超える4巻以上の大作となって欲しいな〜
でも、それ以前にバーズ自体が休刊の危機を抱えているからな。
9億も横領されて今期の決算が赤字になったとニュースになっていましたから…
幻冬舎、元社員が9億円超を私的流用
その影響で、来月からバーズの定価が490円から590円へと、一気に100円も値上がりですよ。
きっと読者が離れていく大きな要因になりそうです。
立ち読みできる本屋を知っていますから、来月からは無理してまで買いません…
どうか倒産しませんように〜