目を輝かせて敵を討つのは、新兵か狂人のみ

戦いの向こう側

所十三さんの『白亜紀恐竜奇譚 竜の国のユタ』8巻を購入。420円(税込)
今日はD-ZOIC5巻を買いに行こうとしたんだけど、近所の本屋で見付ける事が出来ず…
イカ娘とかトンボーも一緒に買おうと思ってましたが
本命のD-ZOICが無かったので、購入は先送りさせて貰いました。

7巻まで恐竜バトル漫画から一変して、8巻からはD-ZOICに移行し恐竜戦国モノになった感じがします。
1対1の個人戦から、100対100の集団戦に切り替わりました。
今までは、剣とか槍とか個人が使いやすそうな武器を各々使っていたけれども
これからの集団戦においては、その場所や任務によって武器を使い分けていますよ。
万能武器とかは存在せず、戦場ごとに戦いやる武器を選んで作者は描き分けているんだろうな〜
まず最初に描かれる戦闘は、丘の上から奇襲攻撃をしようとしている平原王国と冥王国軍の別働部隊。
平原王国軍が、矢を一斉掃射しようと油断している所への近接攻撃だから、主に断ち切り系の武器を使っています。
斧とかメイスとか棍棒など、力任せに相手の防具を砕いても壊れにくい武器での突撃になってました。
後からの平原王国軍の証言によると、弓と槍部隊から壊滅させられたとあったから
ただ単に突撃したんじゃなくて、まずは弓を叩いて、そして弓部隊を守る槍部隊を狙ったんだろうな。
そういった組織的な攻撃をしていたからこそ、序盤の一方的な展開になった様に見受けられます。
ちゃんと理に適った戦法を取ってたんだな〜
見てくれはヒトモドキだから、目の前の敵に喰い付く事しか考えてなさそうだけど
ちゃんと戦略を立てて行動しているのを、改めて気付かされました。
これから先は、密林での戦いや、水上決戦や、攻城戦など、多種多様な戦が見れる武器マニア垂涎の漫画になっていきます。
雑誌では、この辺りを読んでから一気にユタが好きになってきたからな〜
ただの合戦モノとして終わるのではなく、上手に恐竜も運用しての連係プレーを見物ですよ。
また戦闘シーンだけじゃなくて、会話シーンでも心を熱くさせてくれる台詞が
この巻から増えてきた気がします。
一番のお気に入りは、フリードくんが思わず涙するシーンかな。
さすがは熱狂する平原王国をまとめるだけあってマルシュ様のカリスマ度は違いますよ。
こんな台詞を吐けるようじゃなきゃ、一国の王は務まりません!
もう1つのお気に入りは、冒頭のフックさんの台詞です。

同じ“生きるため”でも
人と人との“殺し合い”は
“自然との闘い”とは違う!
たとえ戦いに勝ち生き残ったとしても
“忌しい記憶”に心を切り刻まれる夜がまっているんだ
殺した敵の断末魔の叫び… 最後の面…
やがてそれすれもなんとも思わなくなってゆく
自分の精神におののく日々

こんな暗い面影を見せるフックさんの過去が判明する日は来るんだろうか?
傭兵家業を続けるフックさんの生い立ちや、ジャッコの操竜の秘密とかを描いてくれる番外編が読みたいです!
今からでも単行本の売り上げが向上したら、打ち切り回避になってくれないからな…
出来れば他の雑誌に移ってでも、この企画を描き続けて欲しいッ!