全ての始まり

3賢者は追放されました。

所十三さんの『白亜紀恐竜奇譚 竜の国のユタ』4巻を購入。定価410円(税込)
今週のチャンピオンは、カラー企画が星矢に使われていたので立ち読みにしました。
しばらくの間買っていませんが、その間に部屋の中を片付ける事が出来ました。
あとダンボール2・3箱分、雑誌を処分したい所です…

この4巻からは、恐竜の使い方も然ることながら
人間の使い方や心の揺り動かし方とか秀逸で、泣けるシーン満載で驚きましたよ。
残虐シーンから感動シーンへのふり幅が大きいので、効果がより一層際立ってます!
特に最初の竜葬には泣けてきた…
ユタを助けたお爺ちゃんも格好良かったけれども、それと同じくらいに
葬儀の列で気丈に振舞うお婆ちゃんも素敵過ぎますよ〜
泣きたい時は、思いっきり泣け!
と言うのは誰でも口に出来そうですが

ユタ…
もう泣くのはおやめなさい
そうやってお前が自分を責めたら
つらい思いをするのはお前だけじゃないんだよ
お前を誘ったフィルや先に帰ってしまった友達まで責めることになるんだから

こんな台詞を聞いただけで、目頭が熱くなってしまいますよ…
この祖父母に育てられたからこそ、ゴッロさんの熱い想いを受け継ぐ素質を持ったんですね。
本当にユタの周りには、心篤き人々が集ってきて、ユタを一人前の男へと導いてくれます。
お爺ちゃんを良く見たら、左眼が無かったです。
ゴッロさんは右眼が無かったし、その代わりにユタの両眼にそれぞれの想いが詰まっているのかも。
少年の成長物語としても十二分に楽しめる一冊ですよ〜
そんな良い話が、他にも色々と盛り込まれていますが、それを盛り上げてくれているのが
モミアゲ王子こと残酷王マルタさんの暴れっぷりですよ!
剣で相手を切り刻むだけではなくて、首を刎ねてみたり脳天唐竹割りをしてみたり
あるいは、堀の上に罪人を吊るしてデカいワニに食わせてみたりと、良い感じでした。
普通の漫画なら、ワニに一飲みにされて死んでしまうのですが
このユタに関しては、そんな所では終わりません。
噛み付かれそうなシーンで一旦場面を切り替えて、読者が「あーあ死んじゃったのか…」と思わせておいて
数ページ経った所、下半身だけを噛み千切られて吊り下げられているシーンを1カット入れる辺りが
残酷さをより一層引き出させていますよ。
多分、死んでいるけれどもひょっとしたらまだ生きていて苦しんでいるかな?
と読者の想像力を膨らませる、まさにホラー映画的な演出が心憎いです!
描かなくても良いけれども、あえて描いて不安に陥れるやり方はお見事〜
他の残酷シーンとしては、ティラノサウルスが人を食べる時には身体を噛み千切るのではなくて
骨を噛み砕いて、柔らかくなった所を丸呑みすると言う荒業を見せてくれたり
ナフサとヤシ油を使って、中世の頃からナパーム弾が作られている事が判ったり
本当にタメになる漫画として活用できそうです。
それから4巻を読んで気が付いた事を一つ。
後に、冥王軍として蘇ってくるマルタ王ですが、その復権に携わったのが3人の賢者。
どこからその賢者が来たのかと思っていたら、海・森・平原のコモンズ3国は賢者制度を廃止したと載ってました。
その廃止された賢者たちが、マルタ王に加勢して海・森・平原に挑戦したのが冥王軍だったんだ。
改めてユタを読み直すと、色々な点が伏線となって散りばめられていたんだな〜
最終話が発表される前に全ての単行本を読み終える事が出来るかな?
少しでも、ユタ読者が増えて単行本の売れ行きが上向いてくれると嬉しいけれど…


昔の雑誌の整理をしていたら、ユタのカラーページを発見したので撮り込んでおきました

この扉絵は、単行本には収録されてないんですね…
まあストーリーには関係のない一枚だから、これを1枚挟むよりも
物語を順調に進めた方が読みやすいから良いか。
よくよく見てみると、上の絵は3巻の表紙になってたんだな
白亜紀恐竜奇譚竜の国のユタ 3 (少年チャンピオン・コミックス)
表紙の絵よりもカラー絵の方がダイナウォーが入っている分格好良いかもw