全ての猫漫画好きに捧ぐ一冊

山猫山だより2002

遅まきながら『山猫山だより』を買う事が出来ました。800円(税込み)
連載していたキングダムが休刊にり、ひのもとはじめさんの漫画が読めなくなり
寂しく思っていたのですが、まさか2006年4月30日にお亡くなりになっていたとは…
出来れば生きておられた時に出版して欲しかったです。

山猫山だより (ヤングキングコミックス)

山猫山だより (ヤングキングコミックス)

雑誌キングダムは、大石まさるさんや米餅昭彦さんの漫画を読む為に購入を始めた雑誌ですが
その中で異彩を放っていたのが、ひのもとはじめさんの山猫山だよりでした。
猫と共に田舎へ引っ越した漫画家が、毎月の騒動を8ページにまとめて発表していたんです。
そこに登場する猫の可愛さもさる事ながら、田舎暮らしの大変な一面や、のんびりした人たちの生き様とか
普通の猫日記とは、一味違うエッセー漫画として楽しく読んでいました。
ところが、連載中に頭の血管の病気が発覚し、どうなる事かと思っていましたが
見事に現場復帰して、病気発症から漫画連載を復活するまでを道のりを
自虐ギャグとして楽しく読める入院漫画にしたのは凄いですよ(単行本8話〜12話)
これを転機に、ただの猫漫画から一気に身近な存在になった気になりましたよ。
さらにこの漫画の凄い所は、猫を猫可愛がりするだけでなく
淡々と猫の死を見取る漫画を描いていたり、寂しい一面もしっかり描いているのが印象的です。
こんな色々な面が読める山猫山だよりでしたが、キングダムの休刊と共に終了…
調べてみたら2004年休刊だったので、それから2年間は凄い人生を送っていたのかも。
もしキングダムが続いていたら、たとえ病魔に襲われても
雑誌の連載をバネにして、華麗な復帰を遂げていたかも知れないなあ
昨今人気の猫雑誌に、山猫山だよりが載っていたら凄い人気を獲得したに違いない!
出来れば完全版を発売してもらって、雑誌連載では2色カラーだった原稿をそのまま載せて欲しい。
今回は、かなり抜粋された収録なので、原稿は2・3冊分は貯まっていたかも。


今回のひのもとはじめさんの山猫山だよりは、2006年に発売された本なので
書店に行っても、なかなか見付からなくて諦めそうになりましたが
神戸駅地下の本屋さんに、一冊並んでいたのを何とか買う事が出来ました。
きっとひのもとさんが、読んで貰うためにココにひっそり隠していてくれたのかも。
本屋さんでこの表紙を見かけたら、是非手にとって読んでみて下さい。
ひのもとはじめさんの愛が、誌面一杯に広がっていますから。