胡乱な剣戟

音を想像して読む漫画

時代劇漫画 刃-JIN-』を購入。定価350円(税込み)
二ヶ月に一度の連載ペースで掲載されている
正木秀尚さんのが「ひきずり香之介」お目当て。
今までの漫画とは違って殺陣の充実に驚きました!
ひきずり香之介狐落し 正木秀尚
第3回 お多江の場合
雨太では、雨という液体を描く事。
ガンダルヴァでは、匂いという気体を描く事。
そして、ひきずり香之介でも匂いを使って狐落しを描く事がメインだと思っていましたが
今回でやっと気付く事が出来ました!
香之介での「匂い」は導入部でしかなく、本来の描きたいモノと言うのは
「音」を漫画で表現しようとしているのだと。
第一回では「手流々々(しゅるるる)」と、滑り流れる音。
第二回では「邪罹乱(じゃりらん)」と、琵琶をかき鳴らす音。
音を言葉に言い換えるオノマトペを主題に据えた漫画なんだろうな、と思いました。
今回もまた木刀と木刀がぶつかり合う、乾いた音の響きをその字の通り
「かん」と表記する正木さんの目と耳と脳は、素晴らしい結合力だ!
このコマを一目見ただけで、脳内に音が再現できる日本語の奥深さを感じましたよ。
そして音と共にトリップして香りの世界へ誘う場面展開も素敵だったな〜
でも一番興味がそそられたのは、冒頭の「射〜っ」って所だった事は秘密です。
こんなに絵になる名場面は無いですよ!変態同士求む