糸色医院の次に入院したくない病院

しおりの4コマ漫画も面白い

本棚の整理をしていたら、発見した素敵な文庫本を紹介
多摩の台病院ものがたり米山公啓(492円+税)
今さらながら、読み返しても十二分に面白い小説。
これは是非、漫画化ドラマ化して貰いたい一冊だな〜

こんな表紙の本を、本屋で見かけたので思わず表紙買いした一冊です。
表紙通りの抱腹絶倒のバカ医療小説。
どたばたコメディーの王道を行く内容ながらも
作者自身が、大学病院勤務経験があるので
病院実務の実体を克明に描きながらも、それを笑いに昇華している才能はピカイチ!
また、長編小説ではなくて、一話30Pぐらいの短編が10話収録なので
気軽に医療の現場を体験するには、持って来いの一冊です。
馬鹿コメディーと見せかけて、色々な医療の現場の矛盾を書き出したり
精神的に飛んでいる超一流の医者がドンドンと集まって来る多摩の台病院には、目が離せませんよ!
この第一巻は、導入編と言った感じで一話一話で、次々に風変わりな先生が登場してきます。
最初の第一話「非常事態宣言」では、本作の主人公として活躍する鬼角先生。
瞬間湯沸かし器と異名を持つ、身勝手でだらしない医者という設定でしたが
多摩の台病院に居る、医者や看護婦、そして患者までもが、キャラが濃過ぎて
鬼角先生を怒らせる前に、呆れさせるほどのトラブルが続き
その影響で、すっかり丸め込まれていく鬼角先生の奮闘振りが笑えてきます。
外科手術大好きな切り刻み魔・催湖京造や、物静かで含蓄がある医者本武蔵など
この内の一人でも十分一冊の小説が書ける位、キャラ立ちしている医者が
一堂に集まる多摩の台病院は、まさに医学界の梁山泊
濃い人物が山ほど登場する小説が読みたい方は、一度お読み下さい。
ただ、2000年発売の文庫本なので探すのに一手間かかるかも…