さらば愛しきアンケート葉書

アンケート出し損なった…

さらば愛しき大久保町』を読了。780円+税
大久保町の決闘』と『大久保町は燃えているか』の2作は
あとがきにあるネタの撮影に追われて、感想を書いていなかったので
今回のと併せて、一挙に感想祭としゃれこみますか。あとがきにネタが無い事だし…

さらば愛しき大久保町 (ハヤカワ文庫 JA タ 9-5)

さらば愛しき大久保町 (ハヤカワ文庫 JA タ 9-5)

大久保町シリーズは、3作品ともハチャメチャで面白い作品でありますが
それぞれの違いを言うならば、主人公のタイプかな。
大久保町の決闘では、今まで普通の青年だった笠置光則が、秘められた一族の血に目覚める熱血小説。
大久保町はもえているかは、通りすがりの青年・堀田幸平が、ドンドン不幸に巻き込まれていくブラックコメディ。
さらば愛しき大久保町は、天然ボケの青年・松岡芳裕が、鍛え上げた身体能力で恋に向かって突っ走るラブストーリ。
この3つで親近感を覚えるのは、何の特技すらない堀田幸平かな。
何もしていない内に、ドンドン状況が悪化するにも関わらず、可愛い女の子と一緒に居たいという思いだけで
最悪の状況が最高の瞬間に切り替わる、ラストの裏返しの展開がたまらない!
こういう状況を生み出せる場所は、まさに大久保町でしかありえないシチュエーション。
田中哲弥の小説の中で、一番好きな一冊です。
馬鹿キャラの大久保町住民と、真面目に仕事をこなすドイツの兵隊さんの絡みは最高だ。

こちらコードネーム、ステファニー。
了解ステファニー。こちらマリリン。
こちらエリザベス。月組星組は捜索を続行せよ。

このやり取りの間に「オカマバーじゃあるまいし」という冷静なツッコミが笑いを誘います。
おっさん同士が、素敵な名前で呼ぶ会う姿を想像した時点で読者の負けです。
馬鹿さ満開の一冊は、是非ともハヤカワ版ではなくて、電撃文庫版で読んで欲しい!
新装版では、ラストの挿絵がカットされてるんですよ…


大久保町の決闘は、典型的な主人公のパターンを周到している小説です。
ちょっと間が抜けているだけど正義感溢れる青年が、ヒロインを助ける為に奮闘するお話。
個人的には主人公よりも、ヒロインのお兄さんで保安官助手の清美ちゃん。
黒人だけど清美ちゃん。このCMが大好きな方は、大久保町の決闘を読もう!



さらば愛しき大久保町は、今まで隠していた力の使い道をようやく見付けた主人公の復活劇。
天然ボケの主人公が、岩をも通す一念で恋の荒波を泳ぎきる姿は見ていて気持ちが良いな。
3巻ともなると、これまで作り続けてきた大久保町住民の集大成なので
一人一人の個性が爆発していて、続けて読み続けて来た人大満足の仕上がり。
さらに軍オタにも楽しい銃火器やトラップなどワンサカ登場。
最新ヘリとミゼットの空中戦もありますw


ようやく3冊ともの感想を書きおえて気付きましたが、さらば愛しき大久保町に付属していた
アンケート葉書の投稿締め切りが9月末でした…
田中哲弥を応援しようと思ってたのに、もう無理なのか。
悪魔の国からこっちに丁稚まで、きっちり復刊してくれますように!