彼奴め両眼がありおる
怒涛の噴血漫画『シグルイ8巻』を購入。
今回は、ただの単行本発売に留まらず、シグルイアニメ速報のオマケ付き。
若先生はそれに気を良くしたのか、虎眼師匠のピンナップポスターを執筆するなどノリノリ。
装丁とかに気をとられたのか中身についての改定増筆は無かったような…
- 作者: 山口貴由,南條範夫
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2007/03/20
- メディア: コミック
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第三十八景で試合太鼓が鳴る直前の孕石親子が描かれている上段部分。
孕石備前守の両目が描かれたままになっている所。
別に回想シーンでも何でもないので、右目は斬られているはずなんだけどな。
増刷がかかった時には、改めて訂正されたりするのだろうか?
でもこんな簡単なミスは、一番最初に気づく所だから、あえて両目を描いたのかも。
次の9巻で、何か孕石一家の謎が明らかになるかも知れない伏線だったら驚きだ!
単行本を読み直して、気づいた点はもう一つ。
藤木源之助が、己の特技・飛猿横流れを繰り出す前の予備行動。
土壇場の光景をあえて、伊良子の前で披露したのは
伊良子を挑発する意図ではなく、伊良子の耳を潰す為に
観客である領民たちをざわつかせる演出方法ではないだろうか?
そして、藤木がこの構えをした時に見せた兄弟子の牛股権左衛門の笑みから考えると
この手法を編み出したのは、他ならぬ牛股であろう。
虎眼師匠が、伊良子の耳を潰す為に、濃尾三天狗を斬り捨てて天井へ蹴り上げた如く
仇討ち場で絶え間なく音を立てるには、観客を利用する手はない。
これが、牢人者との決闘の様に私闘であれば、高弟達が手拍子や太鼓の音で伊良子を撹乱させたであろう。
戦う前に勝ちを得る。それが虎眼スタイル。
苦労して実を取るよりも、危険を冒さず身を取る。
こういう算術がしっかりしているからこそ、虎眼流が隆盛していったと思うのだけど
次の巻で、牛股が失われた後でも虎眼流はやっていけるのだろうか?
参謀の居ない藤木なんて、ただの馬鹿に刃物ではないか…
8巻まで続いてきたシグルイですが、この巻が一番面白いです。剣劇がメインになっているので。
3巻の仕置編や6巻の虎眼編も盛り上がりましたが、戦闘までの前振りがあったからな。
この8巻では、冒頭から終わりまでじっくりと仇討ちシーンが練り込まれている。
ページをめくる度に、死合展開が入れ替わるのではないかという緊張感の連続です。
この仇討ち編は、8巻は導入部分なのでこの後9巻も続きます。
仇討ちをどう丸く治めるのかは、孕石備前守の裁量によって決まるのではないでしょうか?
9巻の発売が待ち遠しくてたまらない!