ステイショナリー・クエスト
『田中哲弥』の新刊・ミッションスクールが発売と知り本屋へ!
やみなべの陰謀を入荷していた本屋なので、ちゃんとミッションスクールも一冊本棚に並んでいました。
どうせなら、平積みするぐらいの度胸が欲しいモノですな。
せっかくの神戸出身の作家が今世紀初めて出す本ですから。
- 作者: 田中哲弥
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 文庫
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まずは、あとがきから読みましたが、田中哲弥節が出ていて面白かった。
7年間貯まっていたモノを2Pに凝縮したような濃厚なボヤキ漫談です。
これが売れて売れて売れまくったら大久保町シリーズも復刊してくれるでしょう。
あとがきで笑った部分が
第三話「ステイショナリー・クエスト」にいたっては田中哲弥に関わるとろくなことがないとばかり挿絵を描いてくれるイラストレーターが誰も居なくなりイラストが入る予定のスペースを作者のおまえが適当になにか書いて埋めろと言われたりした。ちゃんと書いたイラストまで描いた。我ながら健気だと思うのであるみんなも思うように。
この読点なしボヤキに涙がにじみます。
未だ買い置き保存していた電撃hp Volume30に書いてあったのは本当だったのか!
単行本にまとまるまで捨てずに残してきた雑誌ですが、見事一冊の本になりましたので
ようやく捨てる事が出来ます。
このまま捨てるのもモッタイネエオバケが出て来そうなので
ステイショナリー・クエストの穴埋め記事を転載します。
あとがきみたいなやつ 編集部(以下「編」)というわけでここはあとがきみたないなものなんですが。 田中哲弥(以下「田」)なんであとがきが必要なんですか。 編 まあそのページに白いところがどっとあるのはみっともないし。 田 挿絵が入るんじゃないの? 編 挿絵はありません。絵描きさん全員に、いやだと断られました。 田 さらっと言いましたなあ。 編 笑っちゃいますよね。 田 笑えるか。つまりイラストレーターの皆さんは、田中哲弥の小説には 挿絵を描きたくないと、そうおっしゃったわけですか。 編 ま、そういうことです。 田 嘘でも否定しなよ。なんで嫌がるんだ。 編 いやあ、普通いやなんじゃないですか。読者も相当いやがってますよ田中さんの小説。 まあ無理もないけど(笑) 田 ニコニコとものすごいことを言いますね。 編 笑っちゃいますよね。 田 笑えるかっ。どんな神経しとるんだ。 編 まあしかしなんでこういう小説書いちゃうかなあ。馬鹿なのかなあ。 田 ば、ばかって…。だいたいあんたが書けっていうから書いたんじゃないですか。 編 だからね、いつも言うけどこんなんじゃなくてうちはもっと… なにやってるんですか。 田 腹立つから自分で挿絵描いてるんです。 田*1 わっやめんか。なんと気色の悪い。こんなもの載せられません。 田 こらっ勝手にモザイクかけるんじゃない。 編 うちの読者はこの手のネタはだめなんですって。そんなだから嫌われるんです。 田 えーいやかましいこれでどうだ 編 わーっ。なんてお下劣な。 田 はっはっはどんなもんじゃ。あっまたモザイクかけやがってこうなったらやけくそじゃあ。 編 ひやあ。なにをする誰かきてくれ馬鹿が暴れるばかがあばれるやめんかそんな品のない絵を へへへへ編集長の顔に描いてはいかんかいてはいかん
こんな経緯があって、第三話のステイショナリー・クエストで電撃hp版は打ち切られました。
雑誌にはアンケート葉書が挟まったまんまだったので、面白かったです。の葉書を出さずじまいか…
せめてこの一枚の葉書を出していれば、もっと早く本が出版されたのでしょうか。されてませんか。そうですか。
ともあれ、全編読み終えたら再び感想を買いたいと思います。やみなべの陰謀の方もね。
*1:多分誤植。この「田」の台詞は編集者の物だと思われる