自由道は燃えているか!?「第21話」

ビックワンガムは戦艦が好きだった

一粒三百米


第21話
ジャジャ馬娘を応援しろ!
 グリコのおもちゃをご存知か?
一般的に言う、おまけを。
上部に装着された「おもちゃの小箱」の存在が嬉しいグリコです。
このちょっとした気遣いがある、グリコを店で発見したら思わず一箱
と、手が伸びてしまう大好きな「おやつ」です。
最近というか、ずいぶん昔から「主・おやつ」「従・おもちゃ」の
ナイスバランスな関係を打ち破る商品が現れました。
それが、カバヤ食品の「BIG・ONE ガム」です。
プラモデルにガムが2・3枚付いている、いわゆる逆転の発想が
小学生のハートをガッチリと捕らえました。
買い物のたびにダダをこねながらも、ビックワンガムの戦艦シリーズや
飛行機シリーズを、せっせと集めては組み立てていた頃を思い出します。
 このカバヤ食品の偉大なる所は、おやつをガムにした点です。
チョコレート、ラムネ、ポテトチップやビスケットなどの食べる時に
手を使って、指先を汚すおやつでは、無かった点が素晴らしい。
「ガムを食べながらプラモを組み立ててちょうだいな」
そんな社長の一言が聞こえてきそうな、おやつ革命を起こした商品。
 そしてここ最近の注目を集めている、おやつと言えば「チョコエッグ
かわいい動物たちと、それを製作した海洋堂の名前を世に知らしめた
おやつ界の期待の新星です。
大ヒット商品のチョコエッグですが、少々引っかかる問題点があり
まだ手を出してはいません。
理由は唯一つ「男の美学」に反するからです。

 だって、食べながら動物を組み立ててしまうと
 動物がチョコまみれになってしまうじゃないですか!

おやつとおもちゃの関係に、新しい波を起こしたチョコエッグ
それを、受け入れる事が出来ない自分自身の美学。
ちょうどその時、男の美学に挑戦状を叩き付ける様な
衝撃的なニュースが飛び込んできた。

プレイステーションで、あのドッジボールが帰ってきた!
12人の乙女たちが華麗に舞い、コートを熱く燃え上がらせる。



2002年発売されたドッジボールゲームです。
読者に投稿により、その存在を知った「爆熱ドッジボールファイターズ」
を制作したアトラスが、満を持して発表した新作ドッジボールゲームです。
平たく言えば、あこがれの不良「くにお君のドッジボール部」が
装いも新たに帰ってくるんですよ!

美少女ゲームとして!

12人のイラストレイターが、繰り広げる夢の競演。
チームを率いてビーナスリーグの優勝を目指すゲーム。
このポイントが、男の美学にガツンと来ます。
はたして、美少女キャラとKUNIO魂は見事に融合する事は可能なのか?
確かに、くにお君の魅力に取り付かれた世代が、今は立派に成人して
家庭を築いて新しい人生の一歩を、踏み出している人も多い事でしょう。
そんな中、子供たちや友人と一緒に、ゲームを楽しむのに
ピッタリのソフトになる事間違いなし。
って、本当にそうなのか?
子供や友人に、このゲームを持っている事を知られると
「恥ずかしい気持ち」になると感じるのは、気のせいか。
せめて、もうちょっとメルヘンチックな「女の子と動物たち」のチームなら
素直な気持ちに、なれるかもしれないのに。
心のどこかで危険信号を感じている、そんな自分が嫌いです。
例えるなら、チョコと動物を同列に扱えない人間が
くにお君と美少女を同じように愛せないのと似ている気がします。
動物と遊びながらチョコを食べたいが、それでは汚れてしまう。
ドッジボールは一人で遊ぶより、二人で対戦した方がバツグンに面白いが
このドッジボールに周りの人が付いて来てくれるかどうか。
心の中のモヤモヤが、一気に噴出しそうになります。
 ですがこれは、声を大にして言っておきましょう。
「このゲームは、面白い!」と。
ドッジボールファイターズを知らずに、生きてきた負い目を差し引いても
このゲームを応援する価値は、十二分にあると見た。
GBAは所有していないが、プレステなら家にあります。
何より、このゲームをここでオススメしておかなくて、何がライターだ!
今、情報が少ない中で「虹色ドッジボール」が、リベンジくにお君であると
インプリンティング(刷り込み)しておけば、発売間近に
大々的に宣伝されたとしても、このゲームの本質が「くにお魂」なのだと
冷静な気持ちで挑めば、発売後も安心して、ご近所や友人に
「くにお君の新作が出たらしいよ!」
と声をかけ、真の意味でのゲーマー(自由道を極めし者)に成れる、予感。
なにより、GBAは本体とソフトを2個持っていないと対戦は出来ませんが
虹色は、アナタが購入するだけでPSでの対戦が可能。
お気楽に、友達との対戦プレーを楽しめます。
あの幼き頃、感動した「くにお君」に、もう一度ゲーム画面で合いましょう!

虹色ドッジボール 乙女たちの青春(通常版)

虹色ドッジボール 乙女たちの青春(通常版)

以上『日刊ゲームスクウェア』 2002/02/08号より
前回までの『自由道は燃えているか!?』はコチラで読めます。


連載当時、初めてリアルタイムのゲームを紹介したけれども
こうやって再掲載すると、ちっとも新しくない…
時事ネタや季節ネタなどは、外すとダメですね。
これから連載が再開する事があるならば、その辺りの事に気を付けてやらねば。