「完璧な愛」は感情ではない

ネクタイと手袋が渋い加藤Byアガペ

人の感情はコロコロ変わる なかでもとくに恐怖と憎しみ
それを人に植え付けるのは簡単だ
ただ煽ればいい
愚かな人類の歴史を見よ
脅された者 奪われた者 破壊された者
虐げられた者 泣かされた者
彼らの恐怖は「煽りかた」しだいで
やがて相手に対する憎しみと怒りに変わる
アルゴリズムは極限の恐怖 極度の憎しみに変えてくれる

アガペ 4 (MFコミックス)

アガペ 4 (MFコミックス)

そんな訳で、アガペの最終巻を購入しました。
何気に深い事を、浅いデタラメな絵で再現した秀逸な漫画。
小難しい話になりそうな所を石黒正数の画力によって
気楽に読める良い漫画になったと思うけど、世間の風は厳しかったのかな?
変態と狂人の渾然一体の人物像を描けるのは石黒正数が適任者ですよ。
そんな登場人物の中でも一番の気にいりは、ハイテクセンタの加藤。
彼のネクタイと手袋のセンスはピカイチだな。
この手の柄のネクタイを見つけた時は、手袋も着用して加藤に変身しようと思います。
で、今巻で完結した本作ですが、実に面白い狂人たちの集いが見れて最高でした。
完全なる愛「アガペ」を探し続けた漫画の様に見えますが
実は愛を求め続けて、合わせ鏡の中に迷い込み、そして狂って行った人物たちの物語。
自己循環に陥ると、些細な間違いに気付かずにドンドンと泥沼にハマっていく…
その恐怖を刻銘に描いた怪作漫画なのではないでしょうか?
と、褒めてみたものの、そんなベタ褒めの人間は殆ど居ないんだろうな…
また1つフラッパーでの愛読漫画は終焉を迎えました。
自分が望む漫画が、憂愁の美を飾る事はありうるのか?
昨年打ち切られた源平天照絵巻痣丸の玉置一平さんは、虎視眈々と続編の再開を狙っています。
最近更新された『玉金ミレニアム・GALLERY 005』では次の主人公・義経の絵が!
気長に復活をお待ちしております。