自由道は燃えているか!?「第5話」
「えーっ毎度、馬鹿馬鹿しいお話を一つ」
第五話
『三代目ゴエモン登場』
R・P・G。
Role.Pleying.Game
聞く所によると、主人公という役柄(Role)を演じながら
楽しむ(Pleying)ゲーム(Game)であるらしい。
役柄を演じるには、それに見合ったストーリーと適切な舞台が必要となる。
王子様がお姫様を助ける、剣と魔法の世界でのストーリーもあれば
泥棒が悪代官から盗みを働く、時代劇みたいなお話もある。
どんな場合であれ、プレイヤーはTVの前に座り
画面いっぱいに繰り広げられる冒険活劇に、身も心も踊らせる。
魅力あるキャラクター、上質のストーリー、幻想的な舞台設定
と、それはまるで、舞台などの演劇を観ている感じに似ている。
今ではポリゴンの技術が発達して、より臨場感溢れる演劇をプレイヤーは
体験できるようになった。
では、昔のゲームは技術不足で迫力が無い、という訳ではない。
日本には、演劇(歌舞伎など)の他にもう一つ演芸と呼ばれる娯楽がある。
この演芸の方法でプレイヤーを楽しませたゲームがあった。
まず、演芸とは何かと言うと、それは「落語」です。
冷静に落語を見ると、オッサンが着物姿で座りながら話している
ただそれだけのモノに見えますが、その話術はピカイチです。
物知りのご隠居から、アホの町人、立派な武士まで、一人で演じます。
そして合間合間に落語家として、物語のナレーションを務めたりしながら
笑いを散りばめたりします。
この「ゴエモン」では、その落語家的役目を謎の黒幕が演じます。
それはゴエモンが、一つの事件が解決する度に
「ハッ−ハハハハハハハハ ハハハハハハハハハハハ ハハハハハハハハハハハ」
と、ウィンドウ一杯に黒幕の笑い声が書き込まれたかと思い
プレイヤーがボタンを押すと、その続きが
「【ハ】が、いっぱい」
このウィンドウを使った見事なオチに、どれだけの人が惹きつけられたのか。
黒幕はゴエモンに挑戦状を叩き付けるフリをしながら
本当のところは、TVの前のプレイヤーに語りかけて笑わそうとします。
こんなにお茶目な黒幕を憎む事が出来ようか?いや、出来ない。
ゲームの内容より、このゴエモンと黒幕との掛け合い漫才の様なやり取りが
楽しみになる、そんな傑作ゲームです。
さすがゴエモン、泥棒だけにプレイヤーのハートを盗むのも上手いです。
「お後がよろしいようで」
以上『日刊ゲームスクウェア』 2001/07/14号より
前回までの『自由道は燃えているか!?』はコチラで読めます。
上記の攻略サイトを見れば、ストーリーから何まですべて把握出来ます。
ただ「ハッーハハハ」の事は書かれてない…
今は手元にソフトがないので、本当に「ハッーハハハ」が有ったかどうかは分かりません。
是非、遊んだ方からの報告をお待ちしております。