悪夢は忘れた頃にやってくる

ジャクソン・ブラウンの名言

何気なく本屋に立ち寄ったら
ジャック・ケッチャムの新刊が発売された!
思いっきりぶ厚い文庫本
この夏の一冊はコレに決まりだ

黒い夏 (扶桑社ミステリー)

黒い夏 (扶桑社ミステリー)

ケッチャムの本は、今はなき『烏書房』(今はネットで『電脳網路・烏書房ボイル堂棚』を展開中?)
熱烈にプッシュされていた隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)を購入した所
ものの見事に完成が一致し、烏書房のオススメする本をすべからく購入した者の一人です。
今、思い返すとリチャード・レイモンエドワード・バンガーの本を知ったのも烏書房。
こういう痛烈な才能を、いち早く見出して、読者に紹介してくれる良い本屋だったのになぁ
ともあれ、今回の「黒い夏」は、ジャックケッチャムの中でも一番の長作。
全583ページで、プロローグ→第一部→第二部→その後 の4部構成の大作に仕上がってる。
まだ1Pも読んでいませんが、休日にでも一気に読みほしたいと思ってます。
さぁて、どんな残酷絵巻が繰り広げられているのでしょうか?


ジャックケッチャムの本の特徴としては、主人公とその周りの人物は
素直で一直線な眼差しのまま心が壊れて行き、己の信念を見事に貫いた変態です。
最初に読みふけった『隣の家の少女』なんかは
主役の少女メグが、これから不幸のどん底に落ちていくのが判っていながら読んでいたので
途中、主人公の男の子と一緒に、楽しそうに観覧車に乗る場面では
「このメグの最高の幸せの場面はココなのか…」
と思った瞬間、涙が溢れて止まりません。
作中で唯一爽やかな青春初恋物語な場面です。
読み進む内に、あの観覧車の涙を返してくれ!と、本に叫びたくなるほどの
やりきれない無惨な状況の連続…
シグルイ風でまとめるなら

ジャック・ケッチャムの完成形は
少数のサディストと多数のマゾヒストによって構成されるのだ

シグルイを完結された暁には、是非ジャック・ケッチャムの作品を漫画化してもらいたい
絵的な残酷さを重視するのであればオフシーズン (扶桑社ミステリー)が一番良いかな。
世紀末の時代に役立つ、人肉ソーセージの作り方とか描写されていますから。
可憐で無惨な恋愛モノなら「隣の家の少女
突き進む爽快な犯罪者モノならロード・キル (扶桑社ミステリー)
完成された変態モノならオンリー・チャイルド (扶桑社ミステリー)
犬と猫は同レベルの生物と感じるなら老人と犬 (扶桑社ミステリー)
暗闇と理不尽さが好きな方には地下室の箱 (扶桑社ミステリー)
これらのケッチャム作品は、いずれ漫画&映像化されて日本で火が付きます。
出版各社は、何とぞ御尽力お願いしたい所存であります。
さぁ、不幸を垣間見て、やるせない後悔の日々を送りたい方は、これらの本を読むと良いでしょう。
やる気が失せるダウナー系の小説ですが、途中で放棄出来ない使命感にかられて最後まで読んでしまいます。
そして、読後の気分はさらに落ち込むでしょう…


黒い夏」を読み終えたら、またココでご報告を