太陽王ブラン

ボクの名前を知ってるかい?

単行本表紙
銀輪』著:旭凛太郎
久方振りに、男の血が騒ぐような熱い漫画に遭遇。
銀輪とのタイトルや表紙から判る様に、自転車乗りを主人公にした珠玉の短編集。

  1. ローディー
    ツール・ド・フランスにかつて出場した男が落ちぶれての復活劇。
  2. 虹色の風(前後編)
    マウンテンバイクで崖を駆け下りるダウンヒルに興味を持った、出前岡持少年の話。
  3. エキピシ
    ツール・ド・フランスの主役レーサーではなく、花形選手へのサポートに徹するエキピシの話。
  4. 太陽王ブラン
    ツール・ド・フランスの山岳ステージのかつて5連覇をしたリヒャール・ブランの一発逆転復活劇。
  5. SKY HI!!
    凸凹した岩場などを自転車で走破するバイクトライアル。速さではなく、技術の凄さを描く意欲作。
  6. 街道の騎士
    1914年のツール・ド・フランスを舞台にした物語。人種・国家を超えて自転車乗りの魂が熱くぶつかり合う。

この6つのそれぞれ趣が違う物語だが、作者の自転車好きがビシビシ伝わって来る極上の漫画。
特に、太陽王ブランは絶品の出来。
昔の栄光を取り戻す為に、血が沸きあがり筋肉が脈動する音が聞こえそうなぐらい自転車を漕ぐブランに感涙。
ココに、一人の男の生き様を見た!

「ぼうず達、ボクの名前を知ってるかい」
「ブラン!“太陽王”ブラン!!」
「そう、その名だ…ボクは太陽に最も近い男
 太陽王ブラン それがボクの名だ!!」

この熱い男たちの漫画をこのまま埋もれさすには勿体無い。
自転車の事が何にも判らなくても全然大丈夫なこの漫画は、自転車入門にピッタシな作品。
この漫画から多くの熱き魂を感じ取って、自転車好きになりましょう!