解明「MIND GAME」

原作本カバー無しver

「最後どういうなったか判らなかったな〜」
なる発言を、劇場を出る前に話し合っている観客が居ました。

惜しい!そこが一番の見所なのにッ!

と、その人達に一から説明してあげたかった…
そんなチョッピリひねった物語構成の為か『MIND GAME』の観客動員数は芳しくないみたい。
ここは一挙手一投足のズバーッとした解説をして、もっともっと「MIND GAME」世界にハマる人間を増やしたい!
アニメ映画は、TVアニメの劇場版・ジブリ作品・有名漫画の映画化のみ現状を
「MIND GAME」が打ち破って欲しい。
まぁ「MIND GAME」も『原作漫画』があるので、オリジナル長編って訳じゃないけどね…


それはさておき、映画の中身です。登場人物については『攻略マインドゲーム』を参考にして
多少判り難い物語構成の要因は、途中途中にフラッシュバックされる「過去の思い出」ではないかと。
この辺については、『監督のインタビュー』を読んでみて下さい。
かいつまんで話すと、OPで焼け野原になった戦後の大阪から、徐々に発展していく様子がテンポ良く紹介され
最後に「MINDGAME」と、ドーンとタイトルが表示され映画が本格的に始まります。
あまりに早すぎる映像展開なので、何が何か判らない状態ですが、ココでは問題ありません。
重要なのは、昔のアニメヒーローとして登場する「タイムボーイ」の存在です。
この影の主人公・タイムボーイは、時間を操る能力を持つ正義の味方。

ビルが爆発された現場に到着したタイムボーイ
タイムベルトをぐるりと回すと時間が巻き戻り
爆発したビルが、あっという間に元通りになり
ビルの入り口へ爆弾を抱えた悪党が後ろ向きで戻っていく。
そこでベルトから手を離し、これからビルに侵入しようとする悪党をやっつける!
ビルの爆破を未然に防いでメデタシメデタシ。

この「時間を巻き戻す」事が映画の重要ポイント!きっかし覚えておきましょう。
もう一つ踏み込んだ解説をすると、タイムボーイが「MIND GAME」の縮図になってます。
まずは観客に最悪の結末を見せる。
その後、タイムボーイが時間を巻き戻して、最悪の状況だけは回避しようと
主人公の西クンは最大限の努力をします。
「素直になるこっちゃ!わきあがる欲望!そいつに忠実に!!
 そして常にユーモアを忘れずに!!」(By神様)
この言葉を信条として、西クンはエンディングまで突っ走ります。
その行動を影で見つめていた神様は「どや。生きるって素晴しいやろ?」
そんな言葉を呟いたかどうだか判りませんが、神様は粋なプレゼントを用意します。
暗い世界が、パーッと明るく素晴しい世界に早変わり。
全ては気持ち(MIND)次第で、人生(GAME)はどうにでも変化する!
それを見事に表現したナイス映画。


映画がエンディングを迎える時に、もう一度OPの焼け野原から現代まで映像が流れます。
ココまで映画を見てきた人なら一目瞭然だと思いますが、その映像に登場する人物は
映画に登場してきた人物だったと。
戦前から現代までの大阪の移り変わり。そこに挿入される人物達の色々な過去。
あそこがココに繋がるのか!と再発見したりしますよ。


MIND GAME』の、もう一つの縁の下の力持ちが
この映画に華を添えてくれた『サントラ
山本精一さんの音楽が体の芯まで染み渡ります。また購入したら、ココでご報告を。