シミったれが!←最高の褒め言葉

本年度最高の装丁&内容

書物狩人』を読了。定価800円+税
赤城毅の新境地・ここに開拓!
今までのヒーロー物&ダークヒーロー物に飽きていた人に朗報。
赤城おろし毅が本来の趣味炸裂でお届けする古書愛を謳った一冊です。

書物狩人 (講談社ノベルス)

書物狩人 (講談社ノベルス)

本の内容を語る前に、今回の装丁の美しさを褒めなきゃなりませんよ。
見た目が山羊革装丁風になっていて、図案だけでなくうろこ状の凹凸加工までしている念の入用です。
嗚呼!革装丁の本を小脇に抱えて春の公園を散歩しつつ、ベンチで読書を勤しみたいものです。
そんな欲望を満たしてくれる様な、装丁と内容がギッシリ詰まったのが本書ですよ!


本を愛し、稀覯本を入手する依頼があれば手段を厭わない凄腕の書物狩人(ル・シャスール)が活躍する物語。
書物狩人が本を探し求めると言っても、スパイの様に秘密基地へ盗みに入るのではなく
本自体が、自らの元へやって来る様に、舞台設定を整えると言った感じでしょうか。
詐欺師が最高の舞台を作りだし、あとはカモがネギをしょってくるのを待ち構えるだけ。
そこに並々ならぬ本への愛情が注がれているので、本好きにはたまらない一冊に仕上がってます。
どんな本であれ、燃やしたり破ったり捨てたりするのは言語道断。
焚書をするヤツには正義の鉄槌を!

人の命は、はかなきもの。されど、書物は永遠。
存在さえしていれば、いつかは真理を語り始めます。

この言葉を捏造問題に揺れる出版界に捧げたい。
どうか裁断処理だけはしてくれるな。書物は永遠なり!


この書物狩人を読んだ後に、思い出した一冊がこちら

私家版 (創元推理文庫)

私家版 (創元推理文庫)

実際には、この本を読んだ事はありませんが、これを映画化した
私家版 [DVD]

私家版 [DVD]

こちらの方は、今は無き西灘劇場で観て凄く感動したのを覚えています。
本で人を殺す事が出来るんだ。って
本好きにはたまらない映画に仕上がってますよ〜
詳しい内容は『私家版のあらすじ全文』をご覧下さい。

書物は知識を伝える。
書物は感情を豊かにしてくれる。
書物は遠い異国のことを教えてくれる。
そして、書物は―――ときとして、人を殺し、一国の政治を揺るがすこともある。