思い出だけで終わらせたくない漫画家

性と文化の大革命By芳町カゲコ

久し振りに、大好きな美少女漫画家の話でも1つ。
延べ出版単行本が1冊しかないものの、熱烈な愛好家が居るとの噂の
芳町カゲコ(18禁)』さん。
そして、唯一の単行本は『性と文化の大革命(18禁)』です。
性と文化の大革命(表紙)
この表紙と、今日登録した裏表紙を見る限りでは、全くエロ本には見えない一冊です。
18禁マークが登場する前に発売されたので珍しい単行本です。
発売時期が1989年なので、まず古本屋でもお目にかかれない本ですが
もし、棚に一冊残っているのであれば、迷う事無くお買い求めする事をオススメします。
表紙は花の絵などがあり、少女漫画チックだけれども
中身は濃ゆいエロ漫画に仕上がっています。
表紙をめくると、まずはフルカラーで4Pのエロ漫画「愛と淫欲の肉聯結器(快楽の館)」が!
貴重なカラーで余す所無くエロ満載です。コマ割とか絵の構図も素敵。
全部アップしたい所ですが、どの部分も一般向けではないので残念…
掲載できるのは、表紙と裏表紙ぐらいです。
漫画の中身は7つ話の短編が載っています(内、2つは前後編。計9話収録)


Masculine Protest(前後編)
ギリシャの神話時代を舞台にした物語。
魔法があって、半獣人が居て、薄いローブを着た女の子があれやこれやで大騒ぎ。
台詞が多い所為もあるだろうけど、白い部分が殆ど無いほどの描き込みよう。
この漫画で驚いた所は、挿入時の断面図を描いているシーンかな。
膣の中で蠢く指やイチモツを描く技法が、既に形成されていたとは!
そして、ここでエロ漫画の中で一・二を争う名台詞があります。

ペニスを女性の中に埋めて…
締めつけられるのってどんな感じかしら

琥珀の瞳には謀り事
継母と娘とのレズ物。背景の本棚に「性と文化の革命」W・ライヒがある。
ヴィルヘルム・ライヒの本から、単行本のタイトルを付けたとは知らなかったな。
欄外にフルメタルジャケットの感想なども書いてあり、時の流れを感じます。


写真機
芳町カゲコさんのデビュー作。欄外に’87.7/17の表記あり。
処女が擬人化したナメクジに襲われるという内容。今で言う触手物。
色んな怪物が女の子を襲う漫画を見たけれど、ナメクジは未見。
あのヌメヌメさが、柔肌を這う感じが出ていてエロティック。
ボブカットの髪型が、個人的にお気に入り。


Nursery Crime ー禁断の部屋ー
子供たちのママごと。姉と弟と、年上のいとこ姉で3人プレー。+バター犬
舞台が西洋風に統一され、天幕付きのベット・コルセット・ズロース(パンティではなく、かぼちゃパンツ)
と、凝った装飾品もあり見応えがある。
しっかりとしたオチもあり、短編としても秀逸。


彼岸への憧憬
中世ヨーロッパが舞台のコスプレ物でサスペンス。

イケネー16ページ中6ページしかエロがねーや!!

と作者が書いている通りにエロが少なめです。
殺人を絡めた物語の為が、暗いシーンが多くエロも華やかさが無い。

元ネタはメアリ・シェリフランケンシュタイン (創元推理文庫 (532‐1))中の、いちエピソードです。

と作者からのメールで教えてもらいました。


サルマキスの泉(前後編)
少年少女探偵団。真琴・留奈・洋が、学園の謎に挑む!
ストーリー自体は真面目に進けれども、ファッキン・ダイナマイト娘こと、留奈が
要所要所で、要らない事(エロい事)をして漫画を盛り立てています。
このスチャラカさ加減がお気に入りの一作。
人が会話している後ろでマスをかくとは!しかも誰も目を合わさない放置プレー。
新しい笑いが生まれた感じがします。
一度、どこかのAVで真面目な物語をしつつ、後ろではオナニーに喘ぐワキ役達
ってシュールなビデオを作れば売れるかも。


ブルービートの夜
漫画の冒頭に、サルマキスに出ていた3人組がゲストに登場。
留奈の髪型がポニーテール&リボンから、ウェーブヘアに変更されている。
これでようやく裏表紙にも描かれている3人組になった。
これぐらいの年代は、ちょいと男装っぽいのが格好良い。
物語は3人組とは関係なく、音楽話で盛り上がってHといった感じ。
音楽に興味ない人は、さっぱりな漫画だろうな…
そんな色んなネタが欄外や漫画内に溢れている所が魅力なんだけどね。


以上、性と文化の大革命をもう一度読み直してみる。
という企画は終了いたしました。
この単行本以降は、数編の漫画を描いて打ち切られ
その後は、何かの雑誌でSMイラストの仕事をしていたはず。
世紀をまたいで、2002年漫画トレビアンで劇画系の漫画で復活をはたす。
しかし、03年の6月で2度目の沈黙へ。
何時、人気が爆発してもおかしくない漫画家だけに、このまま消えてしまうのは寂しいな…
紙とペンだけの漫画ではなくて、ネットでの作画にも挑戦して
かなり濃厚な絵を仕上げています。
作者自ら頂いた絵を記念に一枚アップします。

他にも多数のCGが見たいと思われた方は『芳町カゲコGallery(18禁)』か『タマヒメβ版gallery(18禁)』でご鑑賞下さい。
そして、この絵と漫画に興味を持たれた方は、ご購読の雑誌に芳町カゲコの登場を呼びかけましょう!