さよなら粘菌生活
絶望した!盛り上がってきた序盤なのに打ち切られた漫画に失望した
藤澤勇希の週刊少年チャンピオンでの遺作的作品のエレル全2巻を購入。
閉鎖空間と絶望的状況を作り出す事にかけては、ピカイチの才能を有している。
こうやって単行本で一気に読むと面白さ増大。う〜む、残念…
- 作者: 藤沢勇希
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2005/06/08
- メディア: コミック
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藤澤勇希が藤沢勇希になってるよ…
誰か名前が間違っている事を通報してあげて下さい。
このエレルは漫画の衝撃的な世界も魅力ですが
もう一つの魅力といえば、主人公のTシャツです。
なかなか、お目にかかれないレアな一品ですから、長期連載してもらって
読者プレゼントで、このTシャツを貰うのが夢だったのに…
今からでも、どこかのメーカーがこのプリントTシャツを制作してくれないかな?
真夏に涼しげな白熊Tシャツ。でも黒なので熱吸収率はバツグンw
何か新しいTシャツのアイデアを求めている方は一度ご検討を!
それはさておき内容です。
BMの時と比べると進化した点は、怪物が目に見えなくなっている所ですね。
外的恐怖から、精神的恐怖への進化。
怪物が目に見える化け物BMとは違い、人の体を乗っ取る粘菌生物ELEL(エレル)。
エレル自体は、行動力がほぼ無く、単体で人を襲う事は不可能ですが
生き物に感染して、その生物の精神系統を乗っ取り、肉体能力を100%駆使して
次なる生き物へと感染し、自己を増殖させるという方法は実に見事。
前半から徐々に明らかにしていた火に怯えると言う弱点も
最終話でようやく主人公が発見し、形勢逆転か!?
と思われた所での無念の打ち切り…
これが、あと2〜3巻続いていれば、物凄い攻防戦が見れたと思うのに。
やはり週刊連載ってのは難しいですね。
現在の藤澤勇希は、プレイコミックにおいてメトロサヴァイブを連載中。
こちらの単行本は8月発売予定で、連載も順調に続いているみたいだから期待大!
どんな漫画になっているのだろうか?
『極限的状況下の作品達』
でも少し触れましたが、エレルの意識を乗っ取って感染者を広げる手法と
メトロサヴァイブの大災害が起こって危機的状況下を生き延びるの設定。
この2つを絶妙にブレンドした漫画がコチラ
- 作者: 山田恵庸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/10
- メディア: コミック
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豪華客船の津波による転覆。無人島での生命線確保。生存者同士の争い。
暴徒と化した大人たち。安息の地の発見。暴徒の襲撃。そして、東京への帰還。
隕石墜落による大災害に巻き込まれた子供たちが、たくましく生き延びる物語なんですが
ただの災害ではなくて、そこには隕石と一緒に漂流してきた宇宙ウイルスが絡んで来て
物語をさらに複雑に、そして面白く盛り上がらせています。
漫画の最終巻で、今まで謎に包まれていたウイルスの正体に迫る博士が登場します。
以下・赤谷博士の独白
私たち人間の精神や思考は 脳髄神経によって支配されていると言って良い 恐怖・幸福感・性欲・快楽・愛情 ・・・・すべては脳髄の中の出来事にすぎない このウイルスは脳にいる アドレナリンとノルアドレナリンの異常分泌による 興奮状態の持続 逃避か闘争か 極端な二者択一… 痛覚神経の遮断 視床下部に刺激を与え あらゆる欲をいや増す このウイルスは脳をジャックする…!
最終巻を読んだ時には、まさに山田恵庸は脳をジャックする…!
ぐらいのインパクトを受けました。
絶望漫画ファンにオススメの一冊です。今すぐ本屋でお求めあれ