大事件

ブレイキングニュース初日プレゼント

今日は、こっそり公開されている『ブレイキングニュース』を観に行く。
腰を抜かすほど面白い!
何故、これほどの作品をレイトショーのみの公開なんだ!
映画を観て、まず驚くのはオープニングでいきなりの長回し
建物の中に入ったり出たりする人物を、クレーンを使って建物外から撮影。
その後、些細な事から強盗団が警官に発砲!
強盗団の監視を続けていた重犯罪特捜班(私服警官)が、これを機に突入。
ド派手な銃撃戦になるも、警察側は小火器しかないので圧され気味で
強盗団は車を奪取して、その場を逃走する。
これまでのシーンを長回しで、一切のカットもなく連続して撮ってしまう
監督の手腕に腰を抜かしてしまう。
押さえ気味の演出で、リアルっぽい銃撃戦だった。
ただ、ネットの評判では

あの至近距離で撃ちまくって、殆ど負傷者が出ないのはおかしいっ!

という意見があったけど、強盗団も警察側も、相手を射殺しようと言う心意気が無かったので
弾が当たらなかったのでは。と、解釈する。
強盗団は逃げられれば良いので警官の頭を抑える為に乱射
警察側は装備の差が歴然なので無理に突出して殉死する必要はない。
応援を待つ為に時間稼ぎの銃撃戦を繰り広げた様に思う。
その後は、強盗団との銃撃戦がTV局のカメラに撮られて
事件は、雪だるま式に大きくなって行くその様子は実に気持ち良い。
警察上層部は、銃撃戦の失態を回復するために
ただ強盗団を逮捕するのではなく、その逮捕の様子をカメラで中継させ
警察の威信を回復させようと躍起になる。
警察の現場を走り回る重犯罪特捜班は、事件が大きくなって
自分たちが事件のヤマから外された事が気に入らない…
独自捜査で強盗団を捕まえようとする。
そんな重犯罪特捜班を冷ややかな目で見るのは、今回の事件の解決を任された組織犯罪捜査課
こちらは警察機動部隊であり、フル武装の掃討作戦部隊(SWAT系)
この警察内部の対立と、さらに現場と上層部の対立。
それに加えて、事件を報道する取材陣と警察機構の対立。
そして、それら全てに対して戦い、逃げる手段を考える盗賊団。
この熱い頭脳戦がたまらない映画になっとります。
合い言葉は

同じ釜の飯を食う

この東洋社会に普遍的に通ずるシーンで、盗賊団と人質、さらには視聴者&劇場の観客の
一体感が増し、親近感がグッと高まる!
盗賊団が単に悪の組織ではなくなり、はたしてダレが最後に笑うのかで
観客の目は映画にクギ付け。大ヒット間違いなし!
と言いたい所ですが、劇場公開は単館上映系でレイトショーのみだし
大々的に宣伝している訳では無いので、全く一般には映画の知名度は0に近い…
若干、オチが緩い部分もあるが、この熱い面白さは他の追随を許さない!
この面白さは、攻殻機動隊TVシリーズに通ずるものがあるので
クライムストーリードラマが好きな方には必見の出来!
あっと言う間に、公開終了してしまいそうなので急いで劇場まで


この映画はストーリーの熱さも見所ですが、もう一つのお楽しみが出演陣
主役の捜査官が、ますだおかだ増田英彦に似ている。
その部下は、笑福亭鶴瓶っぽいし。
日本語版の吹き替えは、何とか松竹協力で、この二人で声をあてて欲しいな。
あと、盗賊団の長髪ヒゲの男は浅野忠信似だった。
やはり香港映画だと、日本人っぽい俳優が出てるので親近感がアップする。
最後に笑い所としては、増田似の捜査官が何をされようとも立ち上がってくる様子は面白いw
ラストの犯人を追い詰める警察官が、ウエストサイド物語っぽい動きが良い!
一斉に銃を抜き右下に構える姿は、このまま指を鳴らしながら踊るのでは?
と脳裏によぎり、緊迫したシーンなのに吹き出しそうになった。
はたして、この2つのシーンは笑いを狙った構成なのか?
狙って撮っているのなら、ジョニー・トー監督は天才だ!