自由道は燃えているか!?「第12話」

パッケージにラスボスが!

!!ネタばれ警報!!

これから、噂のゲームの真相について最後まで語りたいと思います。
まだ、やった事のない人は、今回の自由道は読み飛ばして下さい。

第12話
誰が最後までやったのか?

「人間には2種類のタイプがいる。
 成功したヤツと、そうでないヤツ。」

これは結果論で、一概に正解とは言えないのだが
多くの人は成功を目指して、たゆまぬ努力を続けている。
ゲームの場合でもそれは同じで、誰しもが成功を目指して
面白く楽しめるゲームが皆様のお手元に届く日を夢に見て
鋭意制作に励んでいる。
その努力が報われて、今日のゲーム業界の発展に
つながっているのだろう。
そうした輝く「成功した作品」の影には、埋もれる様な形で
そうでないヤツ」の夢の跡が、こんもりと丘を築いている。


今回はそんな夢の島から、たぐいまれなるソフトを一本。

「ごく普通の青年は、ごく普通に生活し、ごく普通の成長をしました。
 ただひとつ違ったのは、両親はミジンコだったのです。」

そんなナレーションがピッタリのオープニングで、唐突に物語は始まり
主人公は冒険に出かけます。両親達をミジンコに変えた、悪党を討つ為に。
旅先で、ファンキーな仲間達と苦難を共にして
クレイジーな怪物をなぎ倒しながら、ハードな物語は進んでいく。
キャラクターデザインの相原コージ氏のセンスが、隅々にまで行き渡る
非常に良く出来たストーリーに、ごく普通のプレイヤーは夢中になりました。
と、なるはずが・・・
ただひとつ違ったのは、ゲームはバグっていたのです。
そうです、今回のお楽しみソフトは「摩訶摩訶」を取り上げます。


この摩訶摩訶が、21世紀の今日になっても迷作(名作)として
語り続けられるのにはワケがあります。
単に「バグが多い」の一点だけでは、ありません。
運が悪い事に、非常にゲーム自体は「面白い」のです。
前述の通り、キャラクター・ストーリー・システムと
ゲームにとっての重要な所は、作り込められ仕上がりは上々です。
問題点は、SFCなのに「これはディスクシステムかっ!
とツッコミたく読み込み速度が遅い事と、最大にして他の追随許さない
そう、言うまでも無く「バグ」です。
この2点が、ゲームが面白いだけに腹が立ちます。
きっとこのソフトは、企画書が完成して、ストーリーを書き上げ
制作者の頭の中でゲームが動き出し、いざプログラムを打つだけ
という段階で面倒臭くなり力尽きたのでは、と推測される…
ゲームを進めて行き、いよいよ最後のボスが登場!
それは何と赤ちゃんの格好をしたキャラでした。
苦戦しながらも倒したと思った瞬間、お決まりの巨大ボスキャラへとの魅惑の変身。
そして「もうダメか」と諦めかけて攻撃をすると
この巨大ボスは一発で死んでしまう見かけ倒しのヤツでした。
ココまで徹底した、ギャグ交じりのストーリーを楽しんだ後に
ふと今までの事を振り返ると
ひょっとして、これまでのバグもワザとか?
と、このゲームを改めて再評価したくなります。

オワリ

PS このソフトをクリアした事の有る人の中でEDのスタッフロールが
   バグらずに見れた人はいますか。
   誰が作ったか、非常に気になり昼寝も出来ません。
   ひょっとしてこの部分のバグは、制作者の身の安全を図る為に
   仕組まれた巧妙なトリックなのか。

この摩訶摩訶の詳細が知りたい方は『スーパーハムスター』さんの『実録レビュー』でお楽しみ下さい。
中古で買ってプレーしても、時間の無駄だと思われます。


以上『日刊ゲームスクウェア』 2001/08/25号より
前回までの『自由道は燃えているか!?』はコチラで読めます。


改めて自分の原稿を読み直すと、誤字脱字が多いなぁ
なので、今回は若干訂正してみた。接続詞の使い方がメチャクチャで結構笑えた。
連載していた当時は、狙って書いていたのだろうか?