日本漫画映画の世界へようこそ〜

漫画映画の全貌

大丸ミュージアム』に、一足遅ればせながら行って参りました。
(開催期間は2004年12月29日〜2005年1月15日まで)
これが、ブラボーなまでに面白い展示会。
名前も知らなきゃ見た事も無いような、100年前の切り絵動画に挑戦した作品から
モノクロの最高傑作『くもとちゅうりっぷ』日本初のフルカラー動画『白蛇伝』に
絵本などでお馴染みの痛快娯楽活劇『長靴をはいた猫』などの
原画・絵コンテ・短時間のフィルム上映など、見所満載の展示物が山盛り。
一番驚いたのは、日本漫画映画(アニメ)の父「政岡憲三」が演出した「すて猫トラちゃん」
これが仰天!マトリックスばりに、カメラが180度回転するんですよ。
こんな白黒映画の時代から、こんなイカした演出方法が生み出されていたなんて唖然。
展示会の入り口近辺で、上映されていますので是非、貴方の目でこの驚きを味わって下さい。
二人(二匹)の猫が、板に乗って川を下り、川べりから板をハシゴ代わりに
石垣を登り終える寸前、唐突にそのシーンは現れます。
兄猫が妹猫を引っ張り上げる時、川側から撮影していたカメラが
ググっと上空に回り、岸側から兄妹の様子を撮影するという場面転換をやってのけます。
政岡憲三は、色々な撮影方法にチャレンジしたと書かれてありました。
ひょっとすれば、この展示会によって再評価が与えられ、一気にブームになる可能性あり。
是非とも『大丸ミュージアム』に足を運んで、その奇跡の映像を目の当たりにしましょう。
そういった古い漫画動画の起源を表したコーナーの次には、宮崎アニメがずらっと展示されています。
このコーナーは言わずもがなの有名アニメの原画や絵コンテが見れて幸せ。
三鷹ジブリ記念館に行った気分が味わえるかも。(行った事ないので何とも言えませんが…)
これだけ見所が充実して大人800円とは、なかなか良い感じ。正月お暇ならどうぞ。
この展示会を企画している『ANIDO』のページを見れば、もう少し詳しい情報が手に入ります。
それから会場では、大塚康生の絶版になった本『大塚康生のおもちゃ箱』が臨時販売されているので
欲しいと思われた方は、大丸8階へGO!
売店は入場料金を支払わなくてもOKです。なお、ジブリの色んな商品も置かれているので
ついつい買い占めたくなる欲求に駆られます。
トトロやジジのぬいぐるみが「買ってくれ〜」と見つめられると、財布の紐が弛みそう。
結局買ったのは『すて猫トラちゃんパラパラ漫画』(正式名称フリップ・ブック)1冊525円だけです。
この中に上記のマトリックスシーンが収録されているので、自分でパラパラしながら
驚異のカメラワークを堪能しましょう。見本も売店に有り。


それから、もう一つの目玉作品として、大丸の一階にスゴい車が展示中。
カリオストロ型500
このセクシーな後ろ姿を見てピンと来ませんか。
そうです。ルパン三世フィアット500が特別展示されています。
ルパン仕様フィアット500
コンパクトな車体にテンコ盛りの荷物が哀愁漂います。
ちゃんと車内のダンボールには食料(マルちゃんの赤いキツネ)と煙草(ジタン)が!
赤いキツネと緑のワイン&青いジタン
こういった細かい演出は『大塚康生』さん自らが制作した模様。
こちらのフィアットも無料で見れますので、正月に神戸元町へ訪れた際は、ドゾヨロシク!