嗚呼!昭和芸人列伝英吉利編

吹き替えはカトちゃん希望

シネリーブル神戸で『イリュージョニスト』を鑑賞。
公開は6月10日までという1週間限定なのでお急ぎを。
でも、シネリーブルでの公開が終わった後は、元町商店街にある『元町映画館』でも上映されるみたいなので
今週間に合わないという方は、上記のHPで公開日をチャックしてみて下さい。
この映画は一言で評すると、文芸大作ではなく愛しき芸人魂が溢れる馬鹿アニメです
見所は

世界一印象に残るパンチラ

何気ないワンシーンで、はたして物語上必要だったのかは微妙ですが、このシーンを見た瞬間に
イリュージョニストの虜になっちゃいましたよ!
驚愕のボートシーンから、片田舎のバーで仕事をする事になった手品師が、そこで働いている少女に夢と希望を与える
までは
一般映画の王道的展開なんですが、そこから先がこの映画の真の実力発揮です。
憧れの大都会で生活を始める少女なんですが、主人公である老手品師は紳士なんですが
周りにずらっと顔を揃える芸人達(ピエロや腹話術師)のキャラが濃すぎて、笑いが止まりません。
劇中は、1950年代。戦後の名残が見える混乱期なのかな。
これを日本に当てはめると、淡路島から希望を胸に華の都オオサカへ出てきたは良いけれども
住み着いた場所が、吉本や松竹の楽屋と言った所でしょうか。
イギリスの実状は判りませんが、ヒロポン打ってる芸人が出てきてもおかしくないくらいのグダグダな面々が揃う愉快なホテルが仲間が素敵ですw
普通の観客は、少女や手品師の目線で物語を追っていくのでしょうが、こちらとしては場末の芸人が気になって仕方ありません。
特に腹話術師なんて、坂上二郎さんに見えて仕方なかったなあ
もうちょっと長生きしてくれていたら、吹き替えを依頼して欲しかった…
時代の波に取り残され消え去ろうしている、グダグダな芸人たちの生き様は涙無しには見られませんが
涙より先に笑いが込み上げてしまうのは私だけでしょうか(←平野先生的言い回し)
少女は、次第に都会の洗練さを身に付けていくのに、芸人達の置かれる状況は日々悪化の一歩を辿ります。
今ではもう見ることの出来ないであろう芸人魂に触れる事が出来るのはイリュージョニストだけ!
芸人さんの物悲しい笑いを堪能しに、是非劇場まで足をお運び下さい。
映画を見る前に、一つだけ情報を頭に入れておくとするならば
老手品師はフランス人(?)であり、映画の舞台はイギリスで、少女の出身地はスコットランドです。
映画は全般的に無声映画っぽく、殆どセリフ無しで進むので最初見た時には、この設定が判らなかったです…
あんまり会話シーンが出てこないのは、老手品師が英語をあまり理解できないから人と話をしないという設定があります。
手品の腕一本で世界を渡り歩いてきたから、フランスだけじゃなく外国をその身一つで渡り歩いてきたんだろうなあ
その辺りを、理解しておいた上でイリュージョニストを見ると、より一層楽しむ事が出来ます。


個人的には、ブサ可愛い貧乏少女アリスはずっと貧乏衣装のまま甲斐甲斐しく働く姿で居て欲しかったな
今回取り上げた以外にも、多数笑い所が秘められているので、それらの爆笑点はレンタルが始まった時にでも解説したいと思いますw